株主の皆様へ

1. VISION

2. 株主の皆様へ

平素より当社へのご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。

当社第72期(2024年4月1日~2025年3月31日)においては、将来を見据えたグループ会社の各事業連携や事業構成の見直しを進め、グループ営業力強化、調達・生産能力の強靭化や商品開発における付加価値向上により、収益体質の強化に努めました。
また、より付加価値の高い商品の開発・展開にも力を入れ、計測機器や電源機器といった従来事業の拡販強化に加え、水素関連、宇宙航空関連、量子コンピュータ関連、ライフサイエンス関連など新市場の開拓強化に注力いたしました。

これらの結果、第72期(連結)における受注は8,949百万円(前期比0.3%減)、売上高は9,083百万円(前期比3.4%減)、損益面では営業利益547百万円(前期比30.7%増)、経常利益587百万円(前期比21.2%増)、当期純利益257百万円(前期比22.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は450百万円(前期比39.2%増)となりました。
なお、配当につきましては、中長期的な発展を見据え経営的・総合的観点から、安定配当を基本に業績等を総合的に勘案して決定する方針としており、第72期の1株当たり期末配当金は32円とさせていただきます。

本通信では、これまでの取り組みの内容とともに、第72期の業績についてご報告させていただきます。
今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役会長 高橋 常夫
代表取締役社長 吉沢 直樹

3. TOPICS

脱炭素社会の実現に向けた取組みを加速

■蓄電システム・再生可能エネルギー

50kVA 産業用蓄電システム
家庭用から産業用へ

再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の安定化ニーズの増大、災害対策など、成長を続ける蓄電池市場。当社では、脱炭素社会の実現に向けて「環境エネルギー関連事業」を一層強力に展開するため、安定した電力供給が必要な産業用途向け蓄電システム市場をターゲットに、高効率・高電力密度のパワーコンディショナ(パワコン)を開発しました。
パワコンは、太陽光パネルや蓄電池などから生成される直流電力を交流電力に変換する装置で、システム全体の管理・運用を司るキーコンポーネントです。
今回開発したパワコンは、蓄電池と太陽光や水素などのさまざまなエネルギー源を組み合わせた“フレキシブル&スケーラブル”なシステムを構築でき、大型システムにも対応可能です。BCP対策、電気料金削減など、公共・商業施設、工場などにおけるエネルギーの効率運用をサポートします。

■水素

電力系統の需給バランス調整として、太陽光発電などの余剰電力を用いた水素の製造・貯蔵が注目されています。
太陽光発電と組み合わせた実証設備などでは、新たな建屋の建設が不要なコンテナ収納の可搬式装置が求められています。当社は、電源からの排熱削減や小型化を実現した「密閉水冷式 水素製造用直流電源」を新たに開発し、オンサイト水素ステーションなどのニーズにお応えしています。

水冷式 水素製造用直流電源
H2 & FC EXPO出展(2025年2月19日〜21日、東京ビッグサイト)

量子コンピュータ開発への挑戦

電波新聞デジタルより(2025.04.22)
囲み部分:エヌエフの低雑音直流電源
電波新聞記事:
「スパコンを超える可能性も」計算能力4倍の量子コンピューター

世界的に開発競争が激化する量子コンピュータ。国内では国際競争力を強化するため、産官学の人材と技術を結集して、国産量子コンピュータ開発が進められています。
初号機、2号機、3号機の全てに当社の「低雑音直流電源」が搭載され、2025年4月に富士通と理化学研究所が発表した4号機「256量子ビット量子コンピュータ」にも採用されました。
今後、量子ビット数の大規模化に向けて、当社製品の性能向上、小型・高密度実装、配線の簡素化などに取り組んでまいります。

ライフサイエンス分野の新市場開拓

医療分野の検査・診断装置には、広く計測技術が応用されています。
生体の微弱な信号を検出する低雑音増幅技術は、MR Iなどの医療機器に組み込まれています。また、電子部品や電池などの評価に使われるインピーダンス計測技術は、PCR装置に応用されています。
物理計測から医用計測へ ── 人々の健康や暮らしの豊かさを支えるライフサイエンス分野の市場開拓を一層推進してまいります。

インピーダンス計測 リアルタイムPCR検査装置
応用例:歯周病菌検出、食品・環境分析・評価などに

4. 連結財務諸表

連結貸借対照表(要約)

(単位:百万円)
前連結会計年度
(2024年3月31日)
当連結会計年度
(2025年3月31日)
資産の部 流動資産 13,237 12,879
固定資産 5,389 4,442
  有形固定資産 3,817 3,672
  無形固定資産 295 199
  投資その他の資産 1,276 570
資産合計 18,627 17,321
負債の部 流動負債 2,989 3,174
固定負債 1,700 480
負債合計 4,690 3,654
純資産の部 株主資本 12,243 12,504
その他の包括利益累計額 397 58
純資産合計 13,937 13,666
負債純資産合計 18,627 17,321

連結キャッシュ・フロー計算書(要約)

(単位:百万円)
前連結会計年度
(2022年4月1日から
2023年3月31日まで)
当連結会計年度
(2023年4月1日から
2024年3月31日まで)
営業活動による
キャッシュ・フロー
530 340
投資活動による
キャッシュ・フロー
△44 1,281
財務活動による
キャッシュ・フロー
△349 △735
現金及び現金同等物の
増減額(△は減少)
135 886
現金及び現金同等物の
期首残高
2,563 2,699
現金及び現金同等物の
期末残高
2,699 3,680

連結損益計算書(要約)

(単位:百万円)
前連結会計年度
(2022年4月1日から
2023年3月31日まで)
当連結会計年度
(2023年4月1日から
2024年3月31日まで)
売上高 9,399 9,083
売上原価 6,338 5,827
売上総利益 3,061 3,255
販売費及び一般管理費 2,642 2,708
営業利益 418 547
経常利益 484 587
税金等調整前当期純利益 520 646
親会社株主に帰属する当期純利益 323 450

業績の推移


■ 売上高

■ 経常利益/売上高経常利益率
■ 親会社株主に帰属する当期純利益/
1株当たり当期純利益

■ 総資産/純資産

5. 株式情報

株式の状況

上場証券取引所 東京証券取引所
スタンダード市場
発行可能株式総数 20,000,000株
発行済株式の総数(自己株式を除く) 7,018,774株
株主数(自己株式を除く) 7,119名
(前期末比893名増)
単元株式数 100株

所有株数別株主数分布

所有者別株主数分布

大株主の状況(上位10名)

(注)持株比率は自己株式を控除して計算しております。
株主名 持株数
(千株)
持株比率
(%)
エヌエフHD 取引先持株会 765 10.91
東京中小企業投資育成株式会社 297 4.23
高橋 常夫 194 2.77
田村 哲夫 154 2.19
エヌエフHD 社員持株会 122 1.75
株式会社三菱UFJ 銀行 109 1.56
明治安田生命保険相互会社 100 1.43
田村 誠章 96 1.38
一般財団法人エヌエフ基金 89 1.27
大滝 正彦 85 1.22

6. 役員体制(2025年6月26日現在)

代表取締役会長 高橋 常夫
代表取締役社長 吉沢 直樹
取締役 大滝 正彦
取締役 長谷川 和宏
取締役 木村 学
取締役(社外) 釜道 紀浩
取締役(社外) 豊玉 英樹
*監査役3 名は社外監査役です。
監査役(常勤) 池上 雅幸
監査役(非常勤) 辻󠄀 毅一郎
監査役(非常勤) 水井 潔